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ご挨拶

事業紹介

テルメディ(以下、当社)では、地域の温泉施設を有効活用した軽度介護認定者向けデイサービス事業(通所介護サービス事業、以下、本事業)を展開しております。

ビジネスモデルの基本的なコンセプトは、後継者不足や経営難によりすでに廃業、もしくは廃業を検討している温泉施設を賃貸し、軽度介護認定者向けデイサービスとしてリノベーションすることで収益化を実現、その過程でさまざまな社会的課題を複合的に解決しつつ、最終的に持続可能性を持つ地域の介護予防拠点として機能させていくというものです。

既存のデイサービス事業の多くは、「要介護2以上がメインターゲット」「1回の利用時間が長く、レクリエーションプログラムの多くは女性向け」という特徴を持っています。一方、本事業では、「要支援、要介護1の軽度介護認定者をターゲット」にし、「短時間」かつ、「温泉」というコンセプトで、業界内に不足している軽度介護認定者向け、また男性向けサービスを主に提供していきます。高齢者が低介護度の段階から気軽かつ満足できる介護サービスの仕組みを拡充することで、未病や健康年齢の増進を実現していくことが目標です。

 
フォーカスする2つの大きな課題

現在の介護サービス市場には、軽度介護認定者のなかでも特に男性向けサービスが不足しているという実情があります。結果として男性が社会との接点を失ってしまい、閉じこもり傾向に拍車がかかるという社会的課題が報告されています。なお、高齢者の閉じこもり傾向は死亡リスクを約2倍も増加させるというデータ【※注1】も存在しています。

当社では、本事業を通じて「要支援、要介護1の軽度介護認定者向けサービス」および、男性向け介護サービスの拡充を目指します。同セグメントで持続可能なビジネスモデルを構築することができれば、利用者の介護度が高まることを未然に防いだり、健康寿命を増進することに繋がり、ひいては社会保障費の削減などに寄与できると考えています。

 当社がフォーカスする二つめの課題は、地域の温泉資産・文化の衰退です。

 一般的に、街中の銭湯や温泉施設の数は年々減少傾向にあるとされています。「一般家庭への浴室、浴槽の普及による利用者の減少」、「経営者の高齢化、後継者の不在」、「燃料費の高騰による収益の悪化」、「スーパー銭湯など大型の施設の台頭」などが衰退を招く要因として挙げられています。

 当社は、温泉は人々にとって重要な交流拠点であると同時に、地域の歴史を守り伝えていく上で欠かすことができない文化的資産であると考えています。青森県は人口10万人あたりの温泉数が日本でもトップクラスで多い有数の土地です。また、青森県を支える農業、漁業など一次産業に従事する方々にとって、朝早くから仕事をし、疲れをいやすために温泉に通うことは、日常的かつ貴重な生活習慣となっています。近い将来に廃業せざるをえない地域の温泉施設をデイサービス拠点として復活させることで、施設的にもビジネス的にも存続・成長可能にし、介護サービスの発展と地域資産を守るという二つの目的を同時に達成していくのが本事業の狙いです。

【※注1】

独立行政法人東京都健康長寿医療センター

「高齢期の社会的孤立と閉じこもり傾向による死亡リスク約2倍」

 

事業にかける思い

 地域の誰もが恩恵を受ける“5方よし”の新たな介護ビジネスを広めたい

当社では、介護サービスの選択肢を増やすこと、また「利用者中心の介護サービス」を実現することをビジョンのひとつに掲げています。

前述した通り、既存の介護サービスの多くは介護度が高い利用者を想定しています。必然的に、そのサービス内容も自立的な生活ができないケースが想定されており、軽度介護認定者にとっては過剰介護に繋がるケースが少なくありません【※注2】。必要性がない介護サービスを押しつけることは、利用者に金銭的な負担を強いるのみならず、時に自立心や尊厳を傷つけ幸福度を下げる結果をもたらします。

当社は本事業で支援の立場を徹底。できることを奪わず、「利用者がやりたいこと」をサポートし、心身ともに充実できる介護サービスを実現していきます。そのための施策として、「一回3時間の短時間デイサービス」、「事業者思考のレクリエーションなどを行わない」など、他のデイサービスとの差別化を構想しています。

 本事業の二つめのビジョンは、介護の現場で働く従業員にも優しい職場を構築していくことです。

 介護業務は肉体的負担が大きく、腰痛など身体的な苦痛による離職が多い職場です。またサービス対象者が重度介護者の場合、排泄の介助なども必要で、誰でもこなせる業務内容ばかりではありません。紙媒体での記録業務も多く、手間や時間を要するため残業対応も必須となります。それでも、介護事業者が支給する報酬額は負担に比べて高い水準とは言い難い状況が続いています。

 本事業のように軽度介護認定者を対象としたサービスであれば、介助による従業員の肉体的な負担を軽減することができます。また温泉施設を利用した短時間デイサービスであるため、夜勤もなく、日中の業務時間内に作業を終えることができます。

 正社員からパートタイムまで、従業員が働きやすい環境を整備し、適正な運営オペレーションで利益を高水準な給与として還元できる経営体質を実現することで、採用や福利厚生面でも事業体としての強みを洗練させていきます。

 利用者の介護をする家族や親族、パートナー(以下、介護者)が介護疲れから一時的に解放されるための「レスパイト・ケア」に注力していくことも本事業のビジョンです。

介護者には「介護認定を受けたが受け入れ先が見つからない」、「被介護者に介護サービスの利用意欲がなく利用してくれない」、「被介護者が閉じこもり傾向になり、結果として介護者が自分の時間を確保できない」「被介護者の介護度の重度化」など、さまざまなストレスや悩み・不安があります。

 本事業では、被介護者本人が行きたいと思えるようなサービスを提供する事で、閉じこもり傾向を打破。介護者が安心して休めるような時間を生み出し、介護者・被介護者双方の幸福度が上がる選択肢を提供していきます。

そして、この軽度介護認定者向けサービスを「介護の入り口」とし、温泉施設や他のセグメントの介護サービスと連携させることで、地域の健康・介護・経済活性化のハブになることが本事業の最終的なビジョンです。

【※注2】

(読売新聞オンライン2021年3月29日付)

高齢者住宅の「囲い込み」、厚労省が監視強化へ…「過剰」介護防ぐ

 

当社ではこれからも地域の資源を活用し、地域の課題を解決するための事業を展開して参ります、今後とも当社を応援して頂けますと幸いです。